わたしになにができるの と あなたに尋ねるそのたびに
あなたはそこにいるだけでいい と 笑ってくれるけれど
わたしはただ突っ立っているだけでは もう 満足できないの

あなたはいつもふわりと笑って
わたしはいつも小難しい顔をして
すれ違うひとは不思議そうに いつも 振り向くけれど
あなたも わたしも
ぎゅっと互いの手をつないで 並んで 歩いている

わたしはいつも左手で あなたのぬくもり 確かめて
わたしはいつも左手で あなたの存在 感じてる

言葉ではこぼれおちるから 右手と左手 重ねて
視線では照れくさいから 指と指 絡めて
はぐれないように
あなたを わたしを
ひとりにしないように

わたしになにができるの と あなたに尋ねるそのたびに
あなたはそこにいるだけでいい と 笑ってくれるけれど
わたしはあなたの隣より すこしだけ 前を歩くことにした

あなたの目にわたしの姿が いつでも映るように



034:手を繋ぐ
 普通に手をつなぐより強い感じしませんか、指絡めるつなぎかたって。

2006/03/20