「おい、小太郎」
「なに、ひろ?」
 呼べば、小太郎はそう言って笑う。小太郎は広の一番の親友だ。お人好しでどこか危なっかしいような、そんな小太郎から広は目が離せずにいる。
「・・・や、何でもないわ」
「何だよそれ〜」
 困ったように笑いながら、小太郎はそう答える。
「何か言おうと思ったけど、忘れちまった」
 そうやってまた広は小さな嘘をついた。本当にごく小さな、それでいて広にとっては蔑ろに出来ないような嘘を。
「そっか。でも、よくあることだよね」
「だろ? この広様でもど忘れすることもあるワケ」
「あはは」
 小太郎はよく笑う。広もそれにつられてよく笑った。
「思い出したら言うわ」
「でも、そういうのってなかなか思い出せないんだよね」
「まあな」
 また、小さな嘘をつく。
 忘れてなんかいない。告げたい言葉は、ずっと胸の中にある。ただ鍵をかけてしまいこんでいるだけで。
「あ、もうすぐ始まるよ」
 始業のチャイムが鳴り響いた。クラスメイトたちが慌ただしく席に着き始める。同じように自分の席へ戻ろうとする小太郎を、広は呼び止めた。
「小太郎!」
「なに、ひろ?」
「終わったら一緒に帰ろうぜ」
「何言ってるんだよ。いつも一緒じゃないか」
「・・・一応、確認」
「変なひろ」
 小太郎はまた笑った。自分の席へ戻ってゆく。その後姿を、広はじっと見つめていた。
 告げたい言葉を、胸の内で呟いていた。

 俺は、お前が、好きだ。



 ひろの口調が分からなくて死にそうでした。
 返品不可なので、受け取ってくれたまえ。

***
というわけで朱音からいいもの貰いました第一弾いえーい!(ハイテンション)
私もひろはわかりません(問題発言)白迅+夜狩割る2、みたい、な・・・?(疑問形かよ)