四拾


「ふう、もうココまで来れば、大丈夫かな〜?……みんな、大丈夫?」
白迅が後ろを振り返ると、まず追いついたのは八魂。
「お、お前、足速いんだから、待ってやらなきゃ駄目だろー!日和、どんどん後ろ行っちゃったぞ!」
「ありゃ、日和…走ったりしないもんなあ〜、普段。お、来た来た!昇姫〜」
ぶんぶんと手を振ると、昇姫もそれに気づいて片手を振った。
「白迅さん!…小太郎も、一緒です」
「はあ、はあ…!!ちょっと、昇姫…!!は、早い…!!」
昇姫に手を引かれ、小太郎も息を切らしながら走ってきた。
「あ、小太〜!良かった、大丈夫だね?」
「…ちょっと、今は、大丈夫じゃない…」
肩で息をする小太郎に、白迅が苦笑する。
「あはは…。ごめんごめん、つい走っちゃったんだよね〜」
そうしているうちに、香仙と唐紅がやってくる。
「ちょっとちょっとお!!置いていかないで頂戴な!」
「……日和もじきに来る…牙血は、追ってきてはいないようだ」
ふたりとも立ち止まると、呼吸を整える。そのすぐ後に、日和の姿も見えた。
「白迅、皆さん…っ、待ってください…!!」
「日和ー!!早く早くー!!」
白迅が手を振る。日和はそれに答える余裕も無く、懸命に走る。
「っ…すみません、遅れてしまいましたね」
着くと苦しげに胸を押さえながらも、にこりと笑う。
「よかった、コレで全員無事だね〜!さあ、早く帰ろう!遅くなっちゃったね」
白迅がその場をまとめると全員頷き、小太郎も言った。
「皆で帰ろう!」